■ ご紹介頂いてから1週間以内の治療開始を心がけております

 受診時には医療情報提供書、画像フィルムをお持ちいただき、約1時間のインフォームドコンセントを行います。完全予約制になっておりますので、お電話にてご予約ください。
 
電話: サイバーナイフセンター直通 042−798−7556 
 初診から1週間以内に治療を開始できるように心がけております。原則として通院治療になりますが入院も可能です。遠方の方でご希望であれば近隣のホテルから通院していただくこともできます。

■ 適応疾患

【頭蓋内疾患】 
  良性脳腫瘍(聴神経腫瘍・髄膜腫・下垂体腫瘍・頭蓋咽頭腫など)
  悪性脳腫瘍(転移性脳腫瘍、グリオーマなど)
  脳血管疾患(脳動静脈奇形など)
    保険適応外では機能的疾患(三叉神経痛など)

【頭頚部疾患】
  耳鼻咽喉科領域(咽頭癌、鼻副鼻腔癌、唾液腺癌、リンパ節転移など)
  口腔外科領域(舌癌、口腔底癌、歯肉癌、頬粘膜癌など)
  眼科領域(眼窩腫瘍など)
  頚椎頚髄領域(転移性腫瘍、脊髄腫瘍など)


■ 産業用ロボットと病変追尾システムによるIMRTとIGRTの特性を合わせもった定位照射
  【MACHINE】
 ・Small Compact Linac:6MV X-band linear accelerator、dose rate 400cGy/min、150Kg
 ・Collimator 5.0〜60mm (5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 20 25 30 35 40 50 60)
 ・Treatment Planning System OS:UNIX
    Forward or inverse treatment planning、 Isocentric or non-isocentric treatment plans
 ・Target Locating System

サイバーナイフのロボット・アーム multi-jointed manipulator
KUKA KR210 
ドイツ・アウグスブルグにある世界最大規模の産業用ロボットメーカー、Kuka Roboter GmbH社製の6軸多関節ロボットKR210シリーズがCyberKnifeに使われています。Kuka社は35年の歴史で約10万台を製造販売し、ベンツやBMWといったドイツ車を見たらKukaのロボットが作ったと思え、と言われるほどです。
産業用にはKuka社のイメージカラーであるオレンジ色のロボットとして出荷されていますが、サイバーナイフはホワイトにペイントされています。
Number of axes:6、 repeatability:<±0.2mm、
Max reach:2700mm
 
 サイバーナイフはロボットを採用したことで空間的自由度が飛躍的に向上し、複雑で不整形な病変に対しても均一に照射することが可能となり、正常組織への過度な被曝を避けることができます。
 ロボットが動ける範囲を無制限に移動させてしまうと患者さんや周囲の物と衝突してしまったり、効率良い治療法を選択できないので、照射野の中心から80p、1.5πステラジアンの仮想球面上にあらかじめ100カ所のポイント(Node)を決め、各々のポイントからさらに12方向へ照射できるように設定されています。治療計画では最大1200方向の放射線ビームの中から病巣の形状や数に応じて適切なビームが選択され、だいたい100〜200本くらいのビームを使って治療することになります。

  【IMMOBILIZATION】
 従来の定位照射は規定の誤差2mm以下で治療するために、患者さんの動きが0mmであることが前提となるため侵襲的なフレーム固定が必要でしたが、サイバーナイフは位置認識システム(TLS:target locating system)により、変化する患者位置を自動的に追尾して補正するため、脱着式のプラスチックマスク(シェル)をかぶせるだけの簡単な固定でも高精度な治療が可能になりました。
熱可逆性固定具(プラスチック・サーモシェル):使用前
お湯に浸すなど熱を加えることで軟らかくなります
患者さん一人一人の頭部顔面の形にあわせてマスクを作成します

 脱着式の固定具のみで高精度の治療ができるようになったことで、分割治療が可能になりました。
 これまで頭蓋内腫瘍に対する定位照射は腫瘍径3pが限度と言われてきましたが、分割することで5〜6pまで適応範囲がひろがります。


図1 分割による生物学的効果の向上 図2 空間的線量分布の改善
小分割治療により治療効果が高くなり 定位照射により投与線量を増量(桃)できる
晩期合併症(緑)が低減する 正常組織への影響(緑)を抑制できる
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 定位脳手術(stereotactic neurosurgery)を行ってきた脳神経外科医の発想から生まれた定位放射線治療は、切らずして手術のごとく病変を鋭く治療するという意味でガンマナイフを開発したLeksell博士によって放射線手術(Radiosurgery)とはじめて命名された[1]。我が国では下記のように定義されている。

■ 定位放射線治療の定義
厚労省がん研究阿部班による定義  Stereotactic Irradiation (STI)
 1回照射を定位放射線手術という  Stereotactic RadioSurgery (SRS)
 2回以上に分割する場合を定位放射線治療という Stereotactic RadioTherapy (SRT)

  *海外の文献ではSRTをmulti-session SRSと表現していることも多い
  *Leksellが用いたRadiosurgeryという用語は当初、1回治療しかできなかった時代のものであり、その後、分割照射が可能になったことで定位放射線治療の名称としてはふさわしくないとされ、我が国でも上記のような定位放射線治療に対する用語に統一された。

■ 定位放射線治療の条件
  @患者あるいはそれに連結された座標系において照射中心を固定精度内に納めるシステムであること
  A定位型手術枠を用いた方法、または脱着式固定器具を用いた方法であること
  B照射装置の照射中心精度が1mm以内であること
  C治療中に通じて上記固定精度を保つこと
  (健康保険では照射中心の固定精度が2mm以内となっている)

  *定位放射線治療とは、病変の部位を再現性のきわめて高い座標系(患者側)で表すことができ、小さな領域に対して、多方向からある一点に収束する誤差が1mm以下の正確な照射が可能な装置であり、線量分布がCT、MRIなどの画像と重ね合わせができる治療計画装置を用いて、病巣とその周囲の正常組織にそれぞれ照射される線量が確実に把握されるものである。


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